では、TVの内容を。
彼女は、ダウン症候群だが、そんな彼女が、前人未踏の、驚くべき偉業をなし遂げた。京都の名刹、建仁寺。国宝として名高い、あの『風神雷神図』。この有名な屏風の隣に、彼女が書いた、『風神雷神』が展示されたのだ。これは、800年を誇る、建仁寺の歴史でも、初めての出来事。名だたる書道家を唸らせる、彼女の書。その価値は、1000万円は下らないと言われている。ダウン症の翔子が、なぜ、これほど天才的な書を書けるのか?そこには、純真無垢な娘と、彼女を懸命に支えた母との、愛と苦悩の、人生物語があった。翔子は、どんな習い事より、字を書くことに興味を持った。母に、褒められたい。その一心で、書道を続けていた。翔子には、天才が眠っていた。2005年。20歳の時。初めて“大筆”に挑戦する。大きな紙に解き放たれた、翔子の文字は、力強い生命力に、満ちあふれていた。今や、全国各地で個展が開かれる程、注目の書道家になった、翔子。その作品を見に、多くの人が訪れる。その一人一人に、積極的に話しかける。翔子と触れ合い、涙する人もいる。翔子は言う。褒めてくれる人がいるから、頑張れると。二人は強い絆で、宿命を乗り越え、誰もなし得ない豊かな人生を切り開いたのだ。